先生のたまに、「うん?分かる」って聞いてくれるところが好き。
そして、もう外は真っ暗だった。居残りなんて大嫌いなのに、先生と一緒ならずっといたかった。
時計の針は6時を回っていた。
「さあ、帰るか」
先生が言う。
もっといたいよ。けど帰る時間。
先生が教室の電気をきる。
真っ暗になってしまった。
「あの先生ー相談があるんですけど」
「うん?」
私の問いかけにもきちんと優しい顔で答えてくれた。
「あのー先生のクラスの新垣浩太に付きまとわれているんですけど…」
なんでだろう?あまりにも先生の受け答えが優しくて相談してしまった。
「そうなんだー。おれはどうしたらいい?本人に言ったほうがいい?言わないほうがいい?」
心配そうに聞いてくれる
「今は大丈夫です」
「もっとひどくなったらすぐ言えよ。」
「はい」
先生、大好きです。優しすぎる。
「じゃあ気をつけて帰れよ。」
「はい。さよーなら」
楽しい夢のような時間だった。
今までは挨拶するだけでよかった。
なんでかな?あの日から私は欲張りになった。
挨拶だけじゃやだな。
もっと話したい。
たくさん先生のことを知りたい。
また大好きになってしまった。
