運転手さんがものすごいスピードでとばしてくれたおかげで、本来なら30分ほどかかるはずが、半分の時間である15分で着いてしまった。
「ありがとうございました、代金はいくらですか?」
お金を払おうとして財布を出したら運転手さんが手を伸ばして来て、静止した。
「ねえちゃんは大事な友達に会いに行くんやろ?今回ぐらいわいに払わせぇ。
代わりに、絶対に友達にねえちゃんの気持ち伝えるんやぞ。
・・・・・あと、もし次わいのタクシーに乗りはったら、ぼったくったるで覚悟せぇよ」
ウインクと一緒にそんな言葉をかけられた。
いろんな人が私を助けてくれる。
私にタクシーを譲ってくれたおばあさん、頑張れと声をかけてくれた人たち、そしてこのタクシーの運転手さん。
ううん、この人たちだけじゃない。
人は、誰だって思いやりの心を持っているんだ。
「ありがとうございます、次はいくらでもぼったくられます!」
こう言い残して私は海原君の元へ向かう。
今いくから、待っててね。
コンコン
「海原君、入るね?」
あっという間にドアの前に着いた。
中に入る。
海原君は中にいた。
でも、片手で顔をおおっている。
私が入って来たことに気づいていない。
もう少し近くによると何か言っていることに気がついた。
