クローバーの起こしたキセキ






ベッドから跳ね起きる。
服はそのままの状態で寝っ転がってしまっていたから、一応着替える。





ここから海原君がいる病院までは歩くと結構遠い。
私はブタさんの貯金箱を壊してお金を取り出す。
・・・・・往復分の料金、これで足りるかな、よし、行こう!




善は急げ、私は家から出た。
ここら辺の道はタクシーはあまり通らない。
だからここから一番近い駅まで自転車で乗って行った。




駅にはたくさんの人がごったがえしていて、私がタクシーを捕まえようとしても、他の人に先に取られてしまう。




「すいません、私友達に大事な用事があるんです。
今じゃないと伝えられないかもしれない大事なことなんです、タクシーを譲っていただけませんか?迷惑は承知です」




私は大声で叫んで、頭を下げた。
みんな一斉に振り返る。
お願い、今じゃなきゃ、伝えられないかもしれないの。




すると周りからパチパチと拍手が聞こえてきた。
その音のほうを見ると、一人のおばあさんがいた。




「そのお友達さんは幸せねぇ。
あなたのような素敵な人がいて。
私はこれと言って急いでるわけでもないし。
ほら、さっさとお乗りになって。
お友達さんが待ってるわよ、きっと」




おばあさんが言い終わると、他の人も便乗し始めた。





『そうだそうだ、早く行ってやれー』
『友達に会いに行ってこいよー』
『がんばってねー』




いろんな声が聞こえる。
私は胸があったかくなるのを確かに感じた。





「ありがとうございます!!行って来ます!!!」





もう一度頭を下げて、お礼を言った。
タクシーに乗り込む。




「○△病院までお願いします」




「はいよ、まかせんしゃい。
フルスピードでいくで!!」




関西弁の運転手さんも外での出来事は聞こえていたみたいで、フルスピード?で行ってくれた。
速すぎて、事故るんじゃないかって心配になったほど。
ちらっと見えたメーターは時速120kmを余裕で越していた。
・・・・・高速でもないのに、ドライブテクがすごい、そして怖い。