海原君のお母さんは続ける。
「辰也は一人で居る時にその子が話しかけて来てくれたって言ってた。
名前をきいてみたけど、なんでも話せる友達になったら教え合おうって二人で決めてたらしくて辰也も知らないって言ってたの。
このままずっと明るい辰也でいてくれるといいって願ってた。
でもそんな矢先に病気だって宣告された。
私は、田舎に行けば少しは病状が良くなるんじゃないかって思って勝手に引越しを決めてしまったの。
その子に挨拶をして来るって言って出て行って、帰って来てからの辰也は泣きながら言った。
『・・・・・桜井麻美。それがあの子の名前だって。俺、ずっと一緒にいるって言う約束、破っちゃった』
麻美ちゃん、あなたが、あの子の始めての友達なの。
覚えてないでしょうね」
うそ、うそだ・・・・・。
だって私にはそんな記憶ないもん・・・・・。
そこまで考えてから思い至ったある一つの人物。
「クローバーの君・・・・・?」
小声で言ったので、お母さんたちには聞こえなかったようだ。
そこに私のお母さんが続ける。
「あなたはその時の記憶はないんでしょう?だって、辰也君が引っ越しちゃった次の日に、ショックで高熱を出したんだもの。
高熱のせいかどうかはわからないけど、記憶がとんでいたもの・・・・・」
