それを見て、私は目を見開いた。






う・・なば・・・ら・・・・・くん・・・?





声が出せず、無音で呟く。





笑った。
海原君が。






するとその幻は、すっと消えた。




消えてから、しばらく私は放心状態だった。





口をぽかんと開け、目なんか限界以上に開ききってる。





そんな私に気付いた碧海が言った。




「先生、麻美が気分悪そうなので保健室に行ってきます」




「おー。
海原の風邪でもうつったのかー?まぁ、とりあえず見てもらってこい。
顔色悪いなー、ほんとに大丈夫かー?」




そう、私の顔は血が止まったかのように真っ白。
漂白剤でも使ったみたいに。




「だ!い!じょ!う!ぶ!です!!」




これを言ったのは私じゃない、碧海だ。これだけ言うと、碧海は私を引っ張って保健室に行く道をわざと遠回りしながら行った。




「どうしたの麻美。
なんかあったでしょ、隠しても無駄だからね。
嘘って顔見ればすぐ分かるから」





そう、私はもんのすんごくわかりやすいらしい、だから今までだって何度もばれてる・・・、ってそうじゃなくて!!





「あのね、海原君が笑ったの!いつも無表情なのに!!!」




すると、碧海が心配そうな顔になって言った。