「えぇ。
そうだけど・・・。
どうしてわかったの?」




「そっくりですから・・・。
瞳が・・・。
もっとも、辰也君は光が宿っていませんが・・・。
きっと輝けば、あなたとそっくりになるんでしょうね。
見てみたいなぁ、辰也君の光が宿る姿・・・」





「っ・・・。
私も、見てみたい・・・。
あの子ね、本当は・・・・・いいえ。
やっぱり何でもないわ。
立ち話も悪いし、上がって上がって!」





何か海原君のお母さん、涙浮かべてたような・・・。




ぼーっと突っ立っていると、お母さんが、





「あら、入らないの?何か用事でもあったのかしら」




と考え込んでいる。




「いえ、別に用事はありませんので大丈夫です。
えーっと・・・おじゃまします・・・?」




「疑問系?麻美ちゃんって面白いわね」




ふふっと手を口元に当て、上品に笑ってお母さんが言った。




私って面白いのかな?嬉しいような悲しいような・・・、複雑よー。
あ、そうだ。




「あのーこれプリントです。
あと、えっと辰也君が休んだ原因を聞いてこいって先生に言われてるんですけど・・・」




一瞬。
ほんの一瞬、動きが固まった。