海原君が頷いたことを確認し、私は少し緊張がほぐれてまた口を開く。




「海原君と初めて会ったのは砂利しかないただの空き地だったよね。
もうそれが何処にあるかは覚えてないけどどういう風に海原君に話しかけたかは一字一句覚えてる。
ずっと一緒に居られるって思ってたけど急に居なくなるって聞いてショックだった。
・・・・・夢星高校に転校してきたとき、私は海原君は何でか分かんないけど初対面とは思えなかった。
今なら言えるけど前会ってたことがあるんだから当然といえば当然だけどね。
海原君はどうしてあんなに周りを拒絶するんだろうって思ったよ。
冷徹だから、っていう理由にも納得がいかなかった」




半分は言えた。
あと少し、あと少しだけ頑張って私。




「・・・・・海原君が病院にいるのを見つけたとき、海原君が入院しててその理由を聞いたとき、私は海原君が他人を拒む理由が分かった。
傷つけたくなかったんだ、だから最初から自分が嫌われるようにしてたんだって。
それが分かったとき私は海原君の居場所になりたいって思ったんだ。
その日から私は海原君が気になって気になってしょうがなかった。
いくら考えてもどうして気になるのかも分からなかった。
海原君をみてドキドキする、頬が赤くなる理由が。
だけどやっと分かったんだ・・・・・」





海原君も私が何を言うつもりか分かっていると思う。
途中から海原君はきれいな顔を歪ませながらも何も言わずに聞いている。
その表情を見て私は返事が予想できた。
息を吸いこみ最後のフレーズを言う。