そしてお互いに数分間見つめ合う。
そして同時に二人ではっと我に返り、一緒に苦笑。
私は海原君から、何か変化を感じ取れた。
「海原君、何か表情豊かになった気がする。
何かいいことでもあったの?」
そう聞いてみるけど何も言わずに軽く俯く。
私は海原君に目をつぶってもらい、寄せ書きと千羽鶴を取り出して海原君の手に乗せる。
「よし、もう目開けてもいいよ」
海原君は恐る恐るといった感じで目を開け自分の手のひらにあるものを見る。
喜んで、くれるかな・・・・・。
少し心配になったけど、そんなものは無用だったと悟る。
海原君が、何なのかに気が付いて目尻をよく見ないと気が付かない程度に下げたから。
「・・・・・これ、寄せ書きと千羽鶴だよな。
みんなが作ってくれたのか?」
「うんそうだよ!」
海原君は何も言わずに千羽鶴を手で持ち上げて見てから寄せ書きを見る。
私は海原君が顔を上げたら告白をしようと決心する。
たとえ振られても、私は後悔しないから。
そして、読み終わったのか顔を上げて詰めていたらしい息をはぁっとはく。
「・・・・・ありがとう、ってみんなに伝言頼んでもいいか?」
「もちろんいいよ。
・・・・・あ、あのね海原君。
言いたいことが・・・・・」
「麻実、カメラ持ってきたのか。
何か撮ってあるなら見せてくれ」
私が言ったのと海原君が言ったのは同時で、軽く言葉に詰まってから笑顔で承諾する。
海原君は、カメラを受け取って一つずつ細かいところまで見てるようだ。
私はその様子をぼうっと見ていたけど海原君に問いかけられてその質問に応える。
