ドアを開けるのを諦めた童君。
私はそれより早く諦めたけど。




「ねぇ、このシチュエーション、マンガみたいじゃない?男女が密室に閉じ込められる、そして二人は恋人に・・・・・的な」




「なななななな、何を言い始めるの童君!!!!!」




童君が思いもがけない言葉を発し、私はすごいどもりながら言葉を返す。
・・・・・そんなこと言われたら意識しちゃうじゃん。




「麻美どれだけ動揺してるの、面白すぎる」




ケラケラと笑いながら言う童君。
冗談に決まってる、そうだ冗談だ。
安心してなぜか椅子ではなく床に座り込む。
童君も私の隣まで歩いてきて床に座る。




「・・・・・」




「・・・・・」




会話も何もない。
こんな状況で何ができるんだって感じ。
だけど流石にさみしいので話しかけてみる。




「ねぇ童君、童君って好きな子とか気になってる子とか居る?」