「わからない、か。
さすが麻美としか言いようがないね。
自分の気持ちにさえ気づけないなんてね、私はもう分かっちゃったのに」




さっきまであんな顔をしていたのが嘘のように苦笑しながら碧海が言う。
碧海は分かったんだ、だったら教えて欲しいのに・・・・・。
でもどうせ頼んでも自分で考えろ、だろうし。




「ねぇ碧海、どうして分かったの？・・・・・この気持ちが何なのかは聞かない、だってどうせ教えてくれないでしょ。
それに、自分で分かりたいしね」




私のこの言葉に碧海はヒュウっと口笛を吹く。




「麻美は分かり易いからね、ずっと見てたからすぐに分かったよ。
最初からなんかそうかなーって思ってたし」




へーっ、私が最初に思ったことは助けたいってことだったんだけどな・・・・・。
他の人がみたらどんな風に思うんだろう。




「麻美、私は麻美に傷ついて欲しくない。
心友が傷ついてる姿なんて見たら、私まで悲しい気持ちになっちゃう・・・・・。
お願いだから、自分を大切にして」




碧海が私に懇願するなんて。
こんな必死な碧海は初めて見た。
こんな碧海は見ていたくなくて、私は目を瞑りながら頷いた。