いや、知らねーよ!
「あっ。そっか…今日だったね~。」
 隣にいたトキはぽんっと手を叩き、納得している。
「今日って、特別に何かある日でもないだろ。」
そう言って、歩き出した。今日は、9月2日。何の行事もない。
「「え!?知らないの!!」」
「何が。」
知らないから聞いたんだろ。

「今日は、転校生が来るんだって!」

李璃は、目を輝かせてそう言った。
「ふーん。」
「反応薄っ!」
興味ないからな。
「でも、どこのクラスなのかも分かってないんでしょう?」
「今の時期に来るってのも不思議だよねぇ。性別も分かってないし…。」
その後、学校に着くまでずっとその話題だった。俺は話を振られても“あっそ”や“ふーん”“別に”と適当に答えていた。

どうでもいい、俺には関係ない。
そう思っていた…。