ピピピッピピピッピピ
「もう起きてるっつーの。」
 小さめな音量にセットしたが、静かな部屋には響き渡り五月蝿く聞こえる。自分の部屋に戻り携帯のアラームを止める。また静かな空間に戻った。窓の前に行き、カーテンを勢いよく開ける。窓の外には二階だから空が見える。まだ日は出てないけれど、灰色の空は眩しく感じられた。目を瞑り、鳥のさえずりに耳をすませて深呼吸をした。これが俺の日課だ。母親は仕事で3カ月に1回でいいほうでほとんど家にいない。父親は、俺が産まれてすぐに他界してしっまた。兄は、海外留学している。だから俺、唐沢浩人は18歳で1人暮らしだ。
「にゃーぉ。」
 足元から猫の声がした。見てみると真っ白なあの猫がいた。
「お前はいつもどっから入って来るんだか…。」
 そう言いながら、猫をなでた。そして俺は微笑んだ。
 
 キッチンへ戻り朝ごはんと弁当を作った後、制服に着替えて郵便物を取り…。と色々やっているともう6時になっていた。アラームは5時にセットしたのっだが…。やはり時間は短いな。弁当をかばんに入れ、家を出た。そして、すぐ隣の友人の家へ行く。やはり思うのが…。
「いえデカ過ぎだろ…。」
いつものようにそいつを待つ。約30分後…。
「おはよぅ…。ひろくんさぁ。いつも早いよ…。僕起きれないよ…。」
「お前が起きないのが悪い。少しは早く起きようとは思わないのか?」
 約束に大抵遅れて来るこいつは、霧島トキ。一応おっぼちゃま…。なのだが…。やるときはやるが、普段はいつものほほぉんとしている。
「全然ないよ?だって早起きは嫌い。僕は夜の方が好きだもん。」
「そうか?俺は、朝方の方が好きだ。」
「え~。夜のがいいって!だってさぁ…。」
「おはよぅ。また朝から討論会してんの?
 よく飽きないねぇ。」
 陽気な声で話しかけてきたのは葛城李璃。
高校からの友達だ。ちなみに、トキの恋人である。
「李璃ちゃん!おはよう。いつもより早いね?
 何か嬉しいことでもあった?」
「もう♪知ってるでしょ?」