それから数日たったある日。



朝、学校に行くと教室が少し騒がしかった。




教室を見回すと、それに気づいた大輝が俺に駆け寄り、そっと耳打ちする。




「は!?」



思わず叫んでしまった。



驚かないわけがなかった。





―「心愛ちゃん、彼氏と別れたんだって♪」




あんなにラブラブだったのに…?




そう思ったが、どうもその噂は本当らしく、今まで毎日迎えに来ていた彼氏は、もう来なくなっていた。








だけど、それと同時に―




「大輝くん。ちょっと手伝って~。」




「おけ!」





こんな光景を見ることも珍しくなくって…





「心愛ちゃん、大輝くんのこと好きらしいよ」

なんて噂もちらほら聞こえてきた。




あぁ。

やっぱり、相澤は、俺の手の届かない存在なんだな。





『相澤心愛』






俺が初めて好きになった女。



やっぱり、初恋って叶わねぇのかな。



そんなことを考える俺がおかしくて笑えた。




―もう大丈夫だ。諦めよう。