「ゆ、結…!」 慌てて視線を手から結の方へ移動させると、ぐっと息を飲んだ。 間近に迫る結に、思わず息を止めて、時間さえも止まった感覚に陥る。 徐々に近づいてくる結に、現実味を帯びない杏にゆっくりと現実が迫ってくる。 ずっと、ただの友達だと思ってたのに。 その気持ちが膨れ上がる中、小さな違和感が胸をかすめる。 「待ってた。」 ぼそりと呟かれた結の言葉が、今度はしっかりと聴こえた。 そして、結越しに見える時計の針が0時を指した。