「…付き合ってください。」
深々と頭を下げ告白してきているのは男。
そして俺も男だ。
しかも、この男は今泉樹人。
顔よし、スタイルよし、頭よし?、運動よしのナイスガイなのだ。
色素の薄い柔らかそうな髪の毛に、
イギリスと日本人のハーフだからか綺麗なブルーのようなグレーのような瞳に切れ長の二重瞼。
身長は180cmを優に越えおり、四捨五入してギリギリ170cmの俺とは大違いだ。
勿論、女にもモテる訳で。
大学内では貴公子とわけのわからない呼び名で通っていた。
両脇に女を抱えているのは大学内で幾度となく見てきた。
そもそもこいつが自分と同じ人種ではないことは何と無く察する事が出来る。
「……あの。」
一向に返事をしない俺に
不安な表情を浮かべ顔を上げる今泉樹人。
一瞬彼の見せる表情にドキッと胸が高鳴ったのは気のせい。
「….えーっと、俺男…だよ?」
咄嗟にそう言い放ち、今泉樹人の様子を伺う。
すると、彼は少し目をふせ、左胸に手を当てた。
「…気持ち悪いかもしれないけど
その、一目惚れなんだ。」
「…はっ?」
一気に口の中の水分が失われて行くのが分かった。
何を言ってるんだ彼は…
言葉を続ける。
「一目惚れをしたんだ。
君が友達に笑いかけている姿に羨ましいと思った、変わりたいと思ったんだ。
大学内ですれ違う度に君の事を目で追っていた。
俺には恋とか愛とかよくは分からない。
けど、これが恋というのなら一目君を見たときにから俺は君に恋をしていたと思う。」
淡々とそう言いながら、
一歩一歩俺に近づいてくる。
当の俺は告白したことも無ければ去れたこともない。
自分で言うのもあれだが、こういうことは全くの無垢なのだ。
そんな俺は彼の言葉に顔を真っ赤に染め俯くしかなかった。
俺の目の前に立った今泉樹人は、
真っ赤に染めた頬に手を当て優しい声色で問いかける。
