「前田くん。親睦会は?」
「終わったよ。だって今六時だよ?いっいいつまで親睦会させるき?」
前田くんの笑顔もお兄ちゃんに負けずに輝いてる。


「いけなくてごめん。前田くんここらへんの家?」



「いいよ。また次の機会に楽しもうな。うん。近いよ。ちなみに今からどこ行くの?」

言いたくない。



「あ。言えなかったね確か。ごめん。」

「ううん。こちらこそ行けなくてごめん。次の機会にまた行くね。」

前田くんは私の兄の方を向いて変な顔をした。

「はじめまして。これから夢子をよろしくね。」
お兄ちゃんがそういうと前田くんは頷いてじゃあなと言って去って行った。




「お兄ちゃん」
キラキラと眩しい視線を送る夢子。
わぁやっぱりお兄ちゃんは優しい。

「ん?」

「ありがとう。」

「うん。前田くんっていったっけ?いいこそうだね。」

「うん!めちゃくちゃいいこなの!優しいし爽やかだし助けてくれるし。今週入学してから何回も助けてくれたの!」

夢子は微笑んだ。


「よかったな。友達ができて。お兄ちゃん嬉しい。」

わしわしとお兄ちゃんが頭を撫でる。

うふふと笑う夢子。


もうはやくいかないと日が暮れる夕方のとある出来事であった。