「あれ?愛月、ずいぶん早いな」
「え?あはははは」
ヤバい。
何で蒼未のために全力で来ちゃってるの?
「これやるよ」
そう言ってスポーツドリンクをくれた。
「走ってきたんだろ?部活で疲れてんのに」
「あ、ありがと…」
あたしがお礼を言うとニッと笑った。
「じゃ、帰るか」
「あれ?チャリは?」
そう。朝乗ってきたチャリがない。
「ん?ああ、あれ、桜夏の借りてたんだよな」
は?
「あたし後ろに乗せるために借りたわけ?」
「ん?そうだけど?」
そうだけど?じゃないでしょ…。
ま、いいか!
愛月が蒼未に抱く気持ちに気づくのはもう少し後の話。