パパが死んだ。有名な私立高校の教師。学校からの帰りの時にトラックにはねられたんだって。病院から連絡があってよく分からないまま冷たくなったパパと無言の再会をした。悲しみよりもトラックの運転手への怒りが勝ってた。ママが泣いてる横で私は、そのおじさんを睨み続けた。どれくらい経ったか分かんなかった。あとで身体中の水分が無くなっちゃうんじゃないかってくらい泣いた。お葬式は明日らしい。


その夜、ママに呼ばれた私は2人きりで使うにはもったいないくらい広いリビングに行った。
「桃、お話があるの。パパと私は再婚だってこと、知ってるわよね?」
そう、私のパパはバツイチ。ママが高校3年生の時の担任がパパ。いわゆる教師と生徒のイケナイ関係ってやつ。ママが私を産んだのが高校卒業してすぐ。高校の卒業式の時点でもう私はママのお腹の中にいた。パパはその高校内で有名なイケメン教師。ママのクラスの社会を担当してたんだっけ?忘れちゃった。

桃「それが何?」
「桃には黙っておこうと思ってたけど、やっぱり本当のことを言うことにするわね。
あなたには、実はお兄ちゃんがいたの。パパの前の奥さんとの息子よ。名前は奏くん。すぐ近くに住んでるはず。パパのお葬式で会うかもしれないからちゃんと挨拶してね。歳は桃より6つ上だったかな、よろしくね。」

何?パパにはもう1人子供がいたってこと?訳わかんない。たぶん遺産の話があるからお互いの家にはもう1人の子供の存在をしっかり把握させておかないと…って話なんだよね。いろんなことがありすぎて、頭パンクしそう。

この先、大丈夫かな…