そのまま何の関わりもなく、進級して数か月が経ったある日。
渋滞に引っかかった俺は、車を降り歩いて学校に向かっていた。
その時ぶつかってこけたのが、岡田杏だったんだ。
初めて近くで顔を見た時は不覚にもドキッとしちまった。
何も言わない俺に頭を下げて走って行った。
そこに残されたボロ布。
「これ、あいつの……?」
それを拾いポケットにしまった。
なぜかこの時、つまんなかった俺の生活が、一気におもしろく色づきそうな予感がしたんだ。
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