「今頃、弟さん達はいじめの対象ですわね」
その言葉を聞いて、足に力が入らなくなり膝から崩れ落ちた。
裕司、裕樹、みか、みな……。
みんなの笑顔が浮かんできて、涙が溢れてくる。
恐れていたことが今起ころうとしている。
守ってあげられなくてごめんね。
ダメなお姉ちゃんでごめん。
「あなたが翔様から身を引けば、助けてあげないこともなくってよ?」
「本当に?約束してくれる?」
「えぇ。あなたから別れを告げたらね」
「……わかった」
みんなを守るためにはこれしかないのなら。
あたしが気持ちを押し殺せば済むこの方法を取とる。
あたしはお姉ちゃんだから、弟や妹を守らなきゃ……。