お母さんに裕司、裕樹にみなとみか。



家族全員で来ちゃいました。




本州から少し離れた孤島に翔の別荘はある。


あたし達以外に誰もいない。

完全に独占できる。



プライベートビーチを持ってるなんて、さすがお金持ち。





「俺、受験生なんだけど」




裕司があたしに向かって冷たく言ってくる。


もう、ほんと冷めてるんだから。




確かに受験生にとって、夏休みは勝負だけど。






「せっかく初めて海に連れてきてもらったんだから、楽しもう?
勉強は夜にしっかり見てあげるからね」




思いっきり顔を歪める裕司。



あたしの教え方はけっこうスパルタだから嫌がるんだよね。