「朝から目立ってたね」
教室に入り、席につくなり有菜が声をかけてきた。
有菜は楽しそうに振り向いて、あたしの机に頬杖をつく。
ちゃっかり楽しんでるよ。
「目立ちたくて目立ってたわけじゃないんだから」
「わかってるって。
でも、藤井とは今まで通りに戻れて良かったね。あれから大丈夫?」
「うん。何とかやっていってるよ」
戻れて何か心の穴が埋まった気分だった。
結局何で、藤井が怒っていたのかは分からないままだったけど、今機嫌がいいならそれでいいかなって聞かないことにした。
またあんな思いはしたくないし、地雷は踏まないでおく。
「で、これからどうすんの?」
「何が?」