「は?」



藤井も意味が分かってないようだった。


村岡くんは説明してくれる様子もなく、今にも泣き出してしまいそうな笑顔を向けるだけだった。




けどすぐに切り替えて、いつもの表情に戻る。





「二人とも鈍感すぎ。
ま、俺も諦めないけどな」




村岡くんは藤井を一瞬睨んで、教室に入って行った。



あたしと藤井がその場に残される。




まだ首には藤井の腕が回っている。






「何これ……?」


「さぁ?」




村岡くんは微妙な空気を残していって、そのままあたしと藤井も離れた。