岡田家の方にも帰るには時間が早いから、堤防で川の流れをボーっと見ていた。



藤井のことを考えながら……。





ポケットからケータイを取りだし、有菜にメールだけ打っておいたんだ。



『どうすればいいのかわかんない』




とだけ。



あたしの家は貧乏だけど、弟や妹の緊急事態の時に連絡手段がないと困るからって、ケータイだけは買っていた。


機種はだいぶ昔のだけど。




必要最低限は使わなかった。



けど、完全プライベート内容を有菜に送った。




有菜にもそうゆうのは送ったことなかったのに。






堤防で座ったまま、太陽が真上に来るのを迎えたころ。



後ろから足音が聞こえてきた。