寝てるんだよね? なのに、この力強さ。 「もうっ」 思いっきり突き飛ばして、抜け出そうと力を込めた時。 「俺から……離れ、んなよ……」 頭上からそんな声が聞こえた。 起きた!? そう思って少し上を向くけど、またスース―と寝息を立てていた。 もしかして、寝言? にしてははっきりとした寝言だったな。 『俺から……離れ、んなよ……』