あたしをギューッと強く抱きしめて甘い声で言う。 ここでその声を出すのは反則だ。 「……わかった」 命令には逆らえないもん。 あたしの返事を聞いた藤井は安心したように小さく息を吐く。 「わっ」 そして軽々とあたしを抱き上げ、ベッドに移動する。 優しくあたしをベッドに寝かせて、その隣に藤井も寝転ぶ。 再びあたしを抱きしめる。 「今日のお前は俺様の抱き枕な」 その声は不安そうで怖い夢を見た後の子供のようだった。