「あの…私…」 人違いです。と言おうとしたら、うさ耳の男は私の腕をガシッと掴んだ。 「よかった…封印が解けたんだね」 ふういん…? え、何のこと? 「あの、待ってください!私、アリスじゃないです…」 そう言うとうさ耳の男は、目を見開き私の顔をジッと見る。 「アリス…じゃない…?」 「そう。私は白木亜希っていうの」 うさ耳の男は見開いていた目を、今度は悲しそうに目を伏せる。