「誰ですか?」



「ん?この子?ナンパした子」



笑顔で言ってやると、スペードはそうなんですねと表情を変えずに言う。



相変わらず、やりにくい男だ。



「なんか…見たことがあるような気がします…」



「へぇ、初恋の子にそっくり?」



「バカなことを言わないでください」



それでは失礼しますと言って、スペードはこの場を去っていった。




とりあえず、アリスとは気づいてないみたいだな。
まぁ、バレてもバカ猫が守るでしょ。



俺はアリスを連れて森の中へ入っていった。