…試しに頬でも抓ってみようか。 そう思い、頬に手を伸ばそうとした時、広場から悲鳴が聞こえた。 え、何事…? 広場を見渡せば、奥から何かから逃げている男の姿があった。 「た、助けてくれー!!」 男は周りに助けを求めているが、街の人は誰一人手を伸ばさなかった。 それもそのはず。 男の後ろには剣を持った青年が追いかけていたのだ。 よく見ると、その剣には赤いものがついており、男の腕には真っ赤な血がかなり流れていた。