背は高く、髪は黒くて少し長め。


視線は冷たく見下されてるような気分になる。


「………どうも」


少し低めの声はやけに玄関に響いた。


「ど、どうも……?どちらさま?」


どこかで見たことがある……けれど誰かがわからない。


「俺はこれから義弟になるゆいと、適当に呼んでくれていい。」


……そうか。この人か。


私は何を言っていいのかも、何を言えばいいのかもわからず、


「……私は…ゆいか。適当に呼んで…。」


愛想がないなあ、と自分で思いつつも


とりあえず重い口を開く。