「ゆいか?」


「あっ、ごめん。なに?」



「具合でも悪いの?大丈夫?」


電話越しでも母親の心配が伝わってくる。


「うん、平気だよ、ぼーっとしてた。」


母親はふふっと笑う。


「あのね、大事な話があるの……
やっぱ実際会って話したかったけど……ほら、私いつ具合が良いかわからないでしょう?でも、今日は話せそうな気がするの。話してもいいかしら?」


たしかに母は今日はよく話すし、息切れもしていない。


「うん、いいよ」


私も思わず笑ってしまう。
母がこんなにも嬉しそうに話すなんて。
私も母の元気な声を聞けて嬉しかった。