号令が終わるとすぐに
男子に囲まれる私。

「ねぇ、朝日さん!菜月ちゃんって呼んでもいいかな?」

「ぁ、あの………………」

この人は確か……田中くんで……
この人は…………中田くん?

あれ、どっちだ?



詩穂!
助けてよ!


目で助けを求めて見るけど詩穂は笑ってるだけ。



うぅ。

お、お、鬼!

朝は助けてくれたくせに!


「朝日!」

突然名前を呼ばれた。


その声の正体は

杉浦先生だった。


「早速なんだけどさ!係の仕事頼む!ちょっと着いてきてー。」

「あ、はい!」

ふぅ。助かった。

先生に呼ばれたから男子たちはすんなり私が去ることを許してくれていた。


先生の後を追ってついていく。


仕事ってなんだろ。



「あのぉ?」

「ん?」

「係りの仕事ってなんですか?」

「あーー……。あれね……うそ笑」

う?

「ウソ???!」

「朝からが困った顔してたからなー笑
俺もそーゆー気持ち分かるし。」

「……先生モテますもんね。」

「いや、モテてはないな。」

何言ってるのよ。
モテモテじゃんか。


「あの………………助けてくれてありがとうございます。」

「おう。委員長のくじ引いちゃったお礼つーことで!」

そう言って先生は私の頭にポンッと手を置いて
職員室に入っていった。

ドキン))

触れられた髪が熱い。

私はゆっくり今来た道を戻った。



この時の私は
この先

先生ともっと関わることになるなんて……



思ってもみなかった。