「おーい!?大丈夫かー?」

向こうから先生の声がする。

私は迷わずドアを開けて
先生にしがみついた。

「うおっ、どーした?なんかスゴイ叫び声が……したけど……?」

「ご、ご、ゴキ○リがぁ…………(泣)」

「え?」

「先生っっ!退治して!!
本当ーーーっに無理なの!!」

きょとんとしている先生。

「………………そーゆーことかよ。
焦ったわ、何事かと…………」

「大事件です!!」

「わぁったよ。
で?どこいんの?……つか、入るよ?」

「はいっ!早く入ってください!(泣)
キッチンのところっ!」

私は先生に新聞紙を渡して
先生の服の裾を引っ張って歩く。

「どこ?!」

「…………そのっ……ゴミ箱の後ろ……のところ…………?」

「……嫌いなんだろ?離れとけ?」

「はい…………。」

先生がゴミ箱をさっとどかして
新聞でスパーンとヤツを叩く。

「た、倒した?!!」

「おぅ。捨てとくぞ。」

ふう………………。助かった…………。


「つか、大袈裟なんだよ!」

「だ、だって!!
嫌なんですもん!!」

「はいはい。
また出たら呼びな。ただし!ビビるから絶対叫ぶな!隣まで聞こえるから。」

「す、すいません……」

「んじゃ…………。」

「あ、あのっ……」

「ん?」

……なんで今、私は先生を引き止めたんだろう。

「あ、いや………………。
何でもないです。」

「………………。あ、お前さ、ゲーム得意?」

「へ?」

「ゲーム!」

「ま、まぁ……それなりには……」

「んじゃ、ちょっと俺ん家来いよ。
クリアして欲しいとこあんの。」

「え??!」

「どーせヒマだろ?」

「まぁ…………。」

ヒマな生徒にゲームの話持ちかける教師ってどーよ。

「んじゃ、早く来い。
あのステージクリアしないと先進めねぇーの!」

そりゃゲームはそーゆーもんでしょ。

「はーい。」

なんて、心で先生につっこんでみる。

言われるままに先生の部屋に入った。