意地悪男子とメロンパン

「ちょっと通してくれる?」






私たちはちょうどドアの前で話していた。






「あ…ごめん」






十分通るスペースあったでしょ!って言いたくなったけど面倒なことになるから控えた。






「なんかいい匂いする」






何が起こったかわからない。






先程の歓声ではなく完全なる悲鳴が微かに聞こえる。






藤堂颯斗が私の髪を鼻に当てている。






これは何をしているの?







好きでもない人に髪の匂い嗅がれるなんて…。