「じゃあ、美幸はっ?!」 橋本が泣き叫ぶように尋ねると、その看護婦は言った。 「目立った外傷はなく、頭を打ったかどうかの検査だけで大丈夫だと思います。 なので、個室で寝ていますよ。」 ーーな、んだ。 あいつは無事だったのか…… 「城崎さんが、庇ったようですね。 おかげで、相川さんは軽傷ですみました。」 瑠衣ーー。 お前は最高にかっけぇよ。 好きな女を命張って守ったんだ。 だから、あと少し頑張れ。 もう一度美幸の隣に帰って来いーー。 俺は赤く光る手術室のランプを見つめた。