大人の臆病【短編】

雅が俺の首に手を回したので、俺はそっと腰に手を回して抱きしめて


そして…

「俺は愛してる。…雅の事。ずっと。」

俺がこう言うと目を見開き吃驚した顔になった雅を見ると今自分が言った事が無性に恥ずかしくなり俺は俯いてしまった。


そんな俺を雅は何も考えずに覗き込み

「えっ?ほ、本当なの?」

なんて聞いてきた。


全部、本当の事に決まってるだろ!

俺達、お互いに好き同士ってことなんだよな!!

俺は雅と一緒に居れるんだよな?


「全部、ほんと。俺は雅を愛してる。雅の特別な存在で居たいんだ。これからもずっと。」

少し頬を赤らめた雅の顎を持ち上げ俺は触れるくらいのキスをした。


そんな俺らは笑い合って何度も幸せなキスをした。



気持ちを正直に言っていればこんなにお互い苦しまなくて良かったのかもしれない。


でも俺はこれで良かったと思っている。

辛い思いした分、雅を幸せにしたいから…

俺も雅と幸せになりたいから…