大人の臆病【短編】

雅を見ると、涙で濡れてた顔で俺を見ており

「克己、…ごめんね。もう無理だよ。」


謝るのは俺の方だ…

雅は何も悪くない。

正直になれない俺がすべて悪いんだ。

今から言う事結構、情けなくかっこ悪いけどいいか?


俺は雅を起こし、俺と向かい合わせになる様座らせた。

俺が乱した洋服をゆっくり直す。


「…雅、ごめん。」

許してくれる訳無いよな…


怖がっている雅をそっと抱きしめると、頭を横に振った。そんな泣いてる雅の頭を優しく俺は撫でた。


不安だらけの俺…

「…俺の事嫌いになった?」


自分でもこんな声出せるんだ。と思った位、弱々しい声で言っていた。


…もうかっこ悪くてもいいよ。


「…嫌いにはなってないよ。でもね?この関係は良くないよ。

…だから、終わりにしよう。もう苦しい…」