大人の臆病【短編】

玄関に入れると無性に雅が恋しくなり抱きしめていた。


そんな俺に雅は泣きながら

「…どうして、フゥ…こんな事するの?…ヒック…もう、嫌だ…よ。」


お前が好きだから、愛しているから

抱きしめたいんだ。お前こそどうして俺の気持ちを分かってくれないんだ?

本当に嫌…なのか?

俺の事は嫌いなのか?

さっきの男が好きなのか?


俺は何も言わずリビングに雅を連れて行き、さっきからあの男の後ろ姿を見つめていた雅の顔が頭から離れなくなってて怒り任せに

雅を寝室に連れて行きベッドに寝かせ、荒いキスをした。


情けないけど今は優しくなんて出来ない。

大事な雅を傷つけるのは分かってる。

でもなんであの男にあんな寂しそうな顔して見送ってるんだよ。


俺はお前のあんな顔見た事無いんだ。

どうしようもない位あの男が羨ましいよ…


俺の手は雅の素肌の温もりを感じ上から下へどんどん下ろしていった所で


えっ??

雅??


俺のエスカレートする手を雅の手で押さえられた。