大人の臆病【短編】

雅、言ってもいいか?

俺の気持ち…


「…俺は……ずっと雅の特別な存在で居たい人。」


お前の特別が良いんだ。俺は…

雅にそう思って欲しいんだよ…


雅、分かってくれた??


雅と2人の世界かの様に見つめ合っていると隣に居た男が


「みや、ちゃんといるじゃん!レストラン行ける奴。じゃなっ♪」


そんな訳分からない事を言って俺達に背を向け歩き出してしまった。


その後ろ姿を雅は「こうちゃん…」と呟き見送っていた。


俺はそんな雅から目が離せず黙って雅を見つめていた。


俺の視線に気がついたのか少し気まずそうな顔した雅が俺の方も見ず

自宅へと歩き出そうとしていた。


雅、どうして?

俺の事見てよ…


俺は雅の手を取り、止めて!と言われたが構わず車の中に押し込んだ。


車を走らせ自分の家まで行くと、車から降りない雅を俺は強引に降ろし

どうにか家まで連れていった。