大人の臆病【短編】

「毎回、毎回用なんてない。あんたが好きな子とどうなったか心配して来てあげたの!将来、私の妹になるかもしれないじゃん??」


コイツはほんと能天気な奴だな…

「そんな事心配されなくてもいい。残念だけどその子は姉貴の妹にはなりませんから。」


俺だって雅の側に居たいよ。

雅と結婚して幸せな家庭とかいいな~。なんて思ったりもしたよ。


「ふ~ん。どうせ、あんたの気持ちまだ言ってないんでしょ?」


まじで煩い奴だな…

「言ったって結果は同じだ。」


雅に俺の気持ちを言った所でアイツはもう他の奴を見ているんだ。

俺の気持ちなんて迷惑なんだよ…


「そうかな?自分の思った事言わないで、あんた勝手に彼女の気持ち決め付けてない?可哀想…彼女。」


俺が雅の気持ちを決め付けてる?

俺にまだ望みはあるのか?

雅、俺はただお前の特別な存在で居たいんだ。


俺の気持ちを聞いてくれるか?


「ほらっ!行きな!!あんたは諦めるのが早すぎる。彼女への想いはそんなもんなの?あんたは本当に割り切れるの?」


俺は雅を誰よりも愛しているんだ。

どうしようもない位に…