大人の臆病【短編】

何で、デート?って聞かれたのに否定してくれないんだよ。

今日は本当にデートなのか?

俺、嫌だよ。雅が他の男と歩いてるだけで嫌だ。


俺ってヤキモチ焼きなんだな。

カッコわる~…


「遠藤主任!大林さんは今日来ないそうです。私達は店に向かってますね?」

気付くと俺のデスクの横に福永が立っていてこう言ってきた。


「ごめん。今日はちょっと急用が出来てしまったんだ。

申し訳ないけどまた次回と言う事で…」


そう福永に告げてから俺も会社を後にした。


雅に他の男が触れるのは絶対許せない。

雅の笑った顔を他の男には見せたくない。


雅、何処にも行かないで…

俺の側にいて…

ずっとずっと俺の為に微笑んでいてよ。


雅、俺お前に言いたい事沢山あるんだ。

聞いてくれよ…