大人の臆病【短編】

仕事が終わり、面倒だけど姉貴との待ち合わせ場所まで向かう。


俺の車が停止し姉貴と目が合うと手で顔を潰し変顔をして、俺の車まで歩み寄って来る。


馬鹿だ!コイツ。30歳にもなって高校生みたいな事してんじゃね~よ。

笑える。マサさんはこんな我が儘で馬鹿な姉貴の何処がいいんだろうな?


俺は車から降り、姉貴を助手席に乗せた。


姉貴と出掛ける時はこうやってしないと後で叱られるんだ。

文句ばっか言われる事になるから嫌でも俺がドアを開けて乗せなくてはいけないんだ。


運転席に戻ろうと車の後ろから周ろうとした所でフッと顔を上げると、雅と目が合った。


悲しそうな顔で俺を見ている…


え?今の見られた?姉貴と居る所見られたのか?

まじで??シスコンと思われたか?

恥ずかしい…


そう思って自然に雅から視線を逸らし車に乗り込んだ。


俺、カッコわり~。

最悪だ。雅に見られてしまったんだからな…