俺は、雅の事となると臆病になってしまう。


俺と一緒に居る時は笑っていて欲しい。

もう見ているだけじゃ嫌なんだ。

少しでもいいから俺の側に居て欲しいから。


臆病になってしまって雅に俺の素直な気持ちが言えない。


雅が帰った後、雅の温もりを残したままのベッドから俺は離れられない。

その日は雅の事を想い浮かべて眠るんだ。




そんなある日の朝、急に3歳年上の姉貴からの電話。

「何?」


無愛想で電話に出る俺に

「あら、随分無愛想なのね?嫌な事でもあったの?」


と朝から嫌味タラタラな言い方。

「用は何?」


姉貴が朝から電話なんて俺に頼み事しかない!

俺は昔からこの我が儘な姉貴に振り増されっぱなしだから…


「それがさ~、今日マサと食事に行く約束してたんだけど急な仕事が入って行けなくなったの。」


マサさんととは姉貴の旦那であり、俺の義兄さん。


で、俺にどうしろと??