「ほんと、何やってくれるんだか!」


呆れたようにその言葉を吐いたのを聞き顔を上げると優しく微笑んでくれていて

「もう他の男の前で泣くなよ。」


なんて言って今度は克己からキスのお返しがあった。




もっと早くお互いに気持ちをぶつけていたらこんなに苦しくなる事も無かったのかもしれない。

大人になっても人を愛する事にはどこか臆病になるんだ。


言葉にしたり、表現したり難しい事。

素直になりたいけど臆病になってその事が出来なくなる。


この厄介な臆病と言う物が無くなってしまえば人間楽に生きられるのかもしれない。

でもこの感情があったから素直になれた時、嬉しさが倍増するのかもしれないな。







大人の臆病―MIYABI―

【END】