大人の臆病【短編】

私の些細な抵抗は荒く深くなったキスに消され、克己の手が乱暴に私の服の中に入ってきた。


「…やめ、て…おねが、い。」


もうこんな関係苦しすぎるよ。


私が泣いている事も気にせず彼の手はエスカレートする一方…


こんなの私の好きな克己じゃない。

どうしたの?


私はどんどんエスカレートして行く克己の手を自分の手で押さえた。


その瞬間、克己が私をゆっくり見て視線が合う。


克己の表情は凄く切なそうな顔で心が締め付けられた。



でもこのままじゃいけないんだ。


「克己、…ごめんね。もう無理だよ。」


私の言葉を聞いた克己が私を起き上がらせベッドの上で向き合う様に座った。


私の乱れた洋服をさっきとは違って優しい手で直してくれる。