私はあの後あの男を追った。

お礼を言っておくために。


ちょうど見つけた時には、男のグループに囲まれていた。


あのグループは、この学校を仕切っている不良仲間。
私にはかなわないけど。


男が帰ろうとしている所を狙い、グループの一人が鈍器で男を殴った。
音を立てて倒れた男を、嘲笑い、担いで廊下を進んだ。

・・・気になって追ってみた。




「馬鹿な男だぜ。喧嘩売るから・・・。」

「後で泣いて謝ったって、許してやんねー笑」


・・・最低な男達。


ま、人は皆最低だけどね。




そのまま、階段を上っていき、屋上に着いた。





私は、屋上への入り口の扉から、こっそり顔を出した。








「・・・んっ。」



男が目を覚ました。



「よぉ。お目覚めかい?笑」


くっくっと薄気味悪く笑い、不良グループの一人が男に殴りかかった。


男をされるがまま床に叩きつけられた。



「寝起きは反応できねぇだろ?・・・おぃ、やっちまえ。」


リーダー格の男が周りの男らに指示を出し、一斉に殴りにかかった。



・・・1対20・・・不利すぎる。






もう、へろへろになっている男は、もうすぐで屋上から落ちそうだ。







「ふんっ。そのまま後ろに落ちてもらおー笑」






馬鹿か。





リーダー格の男が、肩で息をしている弱った男に殴りかかった。












その時、私は駆け出していた。













どんっ。












私は、体を風に任せ、静かに落ちた。