ぶつかるつもりなんてなかった。

ただ、うるさい場所は嫌いなだけ。



教室を出ると、女は走って追いかけてきた。

「あんた、何様なのよぉ!謝るのが礼儀でしょぉ!」

変に間延びした声がさらに、イライラしてくる。

俺は、前髪をかきあげた。

「ちょっと、黙ってくれる?目障りなんだよ。」

女は案の定、目をハートにさせて

「は、はいぃ!!」

と言って、きゃっきゃさせながら走って行った。


なぜか、顔を見せると皆喜んでくれる。


でも、それは中身を見ていない証拠。


自分なんて大嫌いだ。




それ以上に、他人が嫌いだ。







でも、莉亜とか言う女の出会いで






俺は、何か変わった気がした。