「はい。」

凛と、甘い声は、俺を除く全ての人が魅了された。

神崎 莉亜。


入試トップで入学してきた、超優等生。


挫折を知らない、産まれながら光をまとった、天使。と人は呼ぶ。


俺は、思わないけど。





「く、黒崎 忍。」

担任も心なしか怯えているような。

「はい。」


クラスメートも蔑んだ目で俺を見る。
ただ一人を除いて。



超優等生さんは俺を見て、にこっ、よりもにや、と笑った。

優等生さんのあの笑顔は初めて見た。




俺は直感する。



彼女は何かを抱えている。





もしかしたら、俺と似たもの同士かもしれないと。




俺の分際で、何生意気言ってるのだろう。



でも、俺には彼女は天使に思えない。