あれから数時間後―――――


「・・・10時38分。神崎さん永眠です。」

医者がぼそっと呟いた。

莉亜の顔に白い布がかぶされ、看護師に運ばれていった。



「うっ、莉亜ちゃん・・・っ。」

莉亜が亡くなったベットの横のパイプいすに座っていた莉亜の母親は、ずっと泣いていた。


最後まで、哀れだった。















悲しくはなかった。





悲しみに暮れるより、俺が精一杯生きる方が、莉亜はきっと喜んでくれる。







俺が決意を決めた矢先、莉亜のベットの横の引き出しを開けてみた。












そこには、手紙が二枚入っていた。