「俺が、いつも寝るときに莉亜の手を離さないのはなぜか分かる?」

莉亜はゆっくりと首をかしげた。

「どこにも行ってほしくなかった。
俺のそばにいてほしかった。」

彼女の手をぎゅっと握った。



彼女もぎゅっと握り返してくれた。



「忍・・・、私からも・・・問題ね。」

莉亜は目を閉じて、深呼吸をした。




「私が、忍の手を・・・離したのはなぜだと思う?」

俺は、首を振った。




「正解は・・・、忍とお別れするため。」



そう言って、彼女は俺の手を離した――――。









「莉亜・・・?」











「忍、今まで・・・ありがとう。


















大好きだよ。」












莉亜は一粒の涙を流して、ほほ笑んだ。









「俺も、大好きだ。」



















静かに、唇と唇を重ねた。